コリオラン序曲は、一頃クライバーのミュンヒェンライブの快速テンポが染み付いていたので、デイヴィスの重厚なテンポ運びには驚きました。しかし終結部に向かってみるみる巨大な建造物が出来上がっていくような演奏でした。内田光子はこのとき初めて聴きました。モーツァルトの戴冠式協奏曲の第2楽章、イ長調の優しい旋律があれほど悲しく聴こえたのは初めての経験でした。チャイコフスキーは、鳴り過ぎなくらい景気よく鳴らして快演。